2010年1月9日土曜日

もったいない運動の呼びかけ

私たちは、2006年7月に山梨県甲府市で開催された「第20回牛乳パックの再利用を考える全国大会」での提案を受け、翌年5月に「もったいない甲斐ネットワーク」を発足させ、環境、福祉、教育など多様な視点で「もったいない」の心がけを伝えあう運動を進めています。

 ケニアの元副環境相ワンガリ・マータイさんが国連で提唱した「MOTTAINAI」は、今や世界に広がる環境活動のキーワードですが、その発祥の国の日本で古来から受け継がれてきた「ありがたい(有り難い)」から「もったいない(勿体ない)」という精神的な風土の良さを再認識し、「物と心の調和」を図る生き方として「有り難い」と「勿体ない」を結ぶ活動を行っていきたいと考えております。

 今日の世相は、経済至上主義のもとに大量生産・大量消費・大量廃棄の仕組みの中で金満飽食の生活を当たり前のように享受し、何不自由なく暮らしています。 しかし、物質的には豊かであるはずなのに幸福の実感が乏しく、どこか心の隙間の空しさに悶々として、右往左往している人が多いのは何故でしょうか。 また、いじめ、自殺、殺人、虐待など、与えられた命の尊さに気づかず利己的で刹那的な行動が横行し、その解決のための決め手が見つからない不安定な状況にあります。
 このようなことは、実に「勿体ない」ことです。一人では生きていけない人間だからこそ、自然、環境や人間との関わりが「有り難い」ことに、気づいて感謝する心があれば、むやみやたらと「もの(物)」を粗末にしたり、命を軽んじることはないでしょう。先達が築いてくれた物質文明の恩恵に感謝しつつ、物の豊かさと心の豊かさがバランスよく作用して、安全・安心・平和な社会を創るために、「有り難い」から「勿体ない」ことの意味を確かめながら日常生活を見つめ直したいと思います。

 私たちは、このような「思いと行動」を持ち寄って、人・もの(物)・命を大切にする心を育み、自然の恵みに感謝しながら身近でできることを広げて行きたいと願っています。 ぜひ、一人でも多くの方にこの趣旨をご理解いただき、ともに「もったいない運動」の輪を広げましょう。

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