2010年5月7日金曜日

GWの思い出・車いす生活者の1日

友だちのA君は、3歳の時に小児麻痺を患って両手両足に麻痺が残り、それから重度の障害とつき合いながら60年余りを過ごしています。彼は電動車いすを補助具としてどこへでも積極的に出かけて活発に社会活動をしていますが、このゴールデンウィークの1日をつづったメール内容を紹介します。

5月5日、ヴァンフォーレ甲府と柏レイソルのJ2サーカー戦を観に行った。小瀬スポーツ公園まで甲府駅からリフト付きシャトルバスが12時と1時に出ることを確認し、南アルプス市十五所の我が家から竜王駅まで福祉介護タクシーで行き、甲府駅前12時発のリフト付きシャトルバスで会場に着いた。こどもの日ということと晴天に恵まれて、会場は15,600人という大観衆で埋め尽くされて満席の状態だった。
車いす利用者の特別観覧席もあり5・6名が利用していた。バリア・フリー、ユニバーサルデザインの配慮が当然のことのようになされていることは嬉しいことで、サッカー会場にもノーマライゼーションの考え方が周知徹底されていると感じた。
試合結果は1対1のドローだったが、J2トップチームを相手によく頑張った好試合に終わった。

帰りは再びリフト付きシャトルバスで甲府駅へ5時に着き、5時5分発の社会福祉村行きバスに乗って南アルプス市の六科で降りた。そこから十五所の我が家までおよそ7.8キロの道のりを電動車いすで甲西バイパスの歩道を安全運転で自走して7時05分に到着した。
バスを下車してからの走行時間は1時間10分だった。その間、歩道の段差などで時たま人の手を借りるが、自分の意思で行動できることは「有り難い」ことであるし、実に嬉しいことである。地域の中で多くの障害者がどこにでも居る、その姿がある、バスでも電車でも至る所で楽しく闊歩している。そんな住み良い環境を造るのも障害者自身の役目ではないかと思うので、自分はこれからも、どこまでも電動車いすで動いて行こうと思う。そこに喜びがある。

車いす生活者、車いす利用者自身の認識、知識、チャレンジ精神、当事者としての自覚と行動、責任感・使命感などなど、山梨県は全国からみるとまだまだ他人任せでレベルが低いと感じている。4月初旬に東京の霞ヶ関で「バリアフリー・環境」についての全国大会があり、一人で行ってきた。会場には全国から重度の障害者が参加していたが、会場参加者の意見として「当事者の声が大きいほど、道路や建物などの改善・改良・新設の確立が高い」と訴えていたが、そのとおりだと思った。
誰もが、好きで障害のある生活を送っているわけではないが、一生を生きるのは自分であり、一生を変えるのも自分からだと思う。このような生き方の積み重ねから必ず社会を変えていくことが出来るのだから、そのことを自ら実行しないでいることは「勿体ない」ことだと思う。

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