2010年11月19日金曜日

沙漠を不毛の地にしておいては勿体ない

<PC故障のため時節はずれですが悪しからず。>

猛暑続きの夏でした。まだまだ続きそうですが、台風のおかげで一休み。

今年の夏、中国の内モンゴル自治区恩格貝の沙漠緑化に行ってきました。地表温度は50度くらいなのに、乾燥しているため日本より涼しい感じでした。

「人間は沙漠に勝てる。」と言い切った遠山正瑛先生(山梨県富士吉田市出身)の言葉どおり、1991年からこの20年間、日本沙漠緑化実戦協会は1万人以上の植林ボランティアを送りこみ、360万本のポプラを植えるという大きな成果を収めました。
その結果、20年前は5軒に5/6人余りの遊牧民が住んでいたのが、今は1700人が定住居住し、何と沙漠への出稼ぎが500人と増えているという。沙漠開発は、ポプラの植林、緑化、動く砂丘を止めて畑に変え、野菜農園を開拓しました。今、かつての沙漠は観光産業を興して、観光農園、ビニールハウス栽培、ワイン工場建設、ホテル建設、学校建設などが進み、貯水池にはモーターボートが走るなど、環境客がわんさと来る一大オアシスとなりました。

20年前、遠山先生は延々と広がる沙漠を眺めながら、「この広大な沙漠を不毛の地のままで放置していては勿体ない。沙漠開発は人類の食糧問題であり世界平和への道だ。」と語りました。「何年くらいかかるでしょうか。」との愚問に、「500年か1000年か、そんなことは分からないけど、やればできる、やらなければできない。」「必要だと思ったら考えること、考えていいと思ったらやること、考えてもやらなければだめ。」ときっぱりと言いました。

あれから20年、不毛の地であった沙漠は緑になり、森になり、草原になり、人が集まり、村をつくり、沙漠産業を興して活気にあふれています。散歩をしていたら、給水車で野菜畑やポプラ並木に水をやる人、道路沿いの雑草を刈る夫婦、出稼ぎの宿舎づくりの工事に汗を流す人・・・・出会う人々の笑顔が明るく元氣いっぱいでした。

今後、日本からの植林ボランティアとともに、間伐による森づくりや、農業振興に新たな知恵を出しあって沙漠開発は進んで行くでしょう。すでに中国政府も本腰を入れていますから、遠山先生の実験的な功績が評価され、モデルとして活かされて中国全土に広がれば、広大な緑の大地が実現し、世界でも有数な農業大国となることは夢ではありませんね。
緑色大使の称号を与えられた遠山先生の偉業は、中国の人々に永遠に語り継がれるでしょう。
諺に、「井戸を掘った人を忘れない。」

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